メリハリのあるボディーラインづくりに欠かせないのが、体の中で一番目立つ筋肉である大胸筋です。
ただ、大胸筋を鍛えても大きくならない…。
左右の筋肉の形がアンバランスになってしまった。
など、大胸筋トレーニングをしていても、思うような形に鍛えられないとお悩みではありませんか?
メリハリのあるかっこいい大胸筋をつくるには「1肥大化させる」「2左右のバランスを取り綺麗に形を整える」これら2つを意識して鍛えることが重要です。
そこでこの記事では、自宅やジムでできる大胸筋全体および部位ごとのトレーニング方法を詳しく説明していきます。
また、男性だけではなく、女性にも鍛えるメリットがある筋肉なので、ぜひ挑戦してみてください。
【バランスよく育てる】大胸筋を構成する3つの部位
大胸筋の筋肉は上部・中部・下部の3つのパーツで構成されおり、それぞれ鍛え方が異なります。
アンバランスになる理由は、一部のパーツだけを鍛えてしまうことや、パーツを狙った筋トレが正しくできておらず、効果が出てないことが原因と言えるでしょう。
大胸筋をバランスよく鍛えることで、
- メリハリのあるかっこいい上半身になる
- 基礎代謝が上がる
- 結果がわかりやすい筋肉のため筋トレのモチベーションがあがる
など男女問わず、複数のメリットを得られます。
さらに、女性の場合は大胸筋上部をメインに鍛えることで、デコルテラインを綺麗に見せハリのあるバストをキープできます。
【筋トレ前に確認】正しく大胸筋を育てる3つのポイント!
大胸筋トレーニングの難しさは「胸にしっかり刺激を効かせること」だといえます。
手の位置や角度によって肩や腕に刺激が逃げてしまうので、筋トレ時は大胸筋に収縮と負荷を感じられるかを意識してください。
パーツごとに狙って鍛えるほか、同じパーツでもトレーニング方法を変えることで筋肉への刺激もかわり、効率的に肥大化させることができます。
バランスよく大胸筋を育てるには3つのポイントを意識することが重要です。
【ポイント1】筋肉の収縮と負荷を意識する
筋肉は筋繊維という繊維状の組織が無数の束となり構成されています。
筋繊維に負荷をあたえ刺激することで、より頑丈になろうとする動きが働き、筋肉の肥大化=成長が起こります。
大胸筋を成長させるには、特に上中下3パーツをしっかり収縮させきるトレーニングが重要です。
3パーツとも胸の中心に近い内側の筋肉ほど、胸の外側に比べて筋肉の密度が少なく、収縮させきらないと負荷がかかりません。
そのため、大胸筋トレーニングでは「収縮させ筋肉に負荷を与える」意識を常に持つようにしましょう。
【ポイント2】上中下、各部位を狙って鍛える
大胸筋の3パーツは、それぞれ筋肉の得意とする動きや役割が異なります。
パーツごとの主要な役割
- 上部:腕を肩より上にあげる動き(外転)
- 中部:腕を広げる、水平の動き
- 下部:腕を肩より下にさげる動き(内転)
- 3パーツの内側:手を合わせる、腕を内側に動かす
上部や胸の外側の筋肉は日常生活で使う頻度が多く、筋肉の密度も高いので鍛えやすい部位です。
逆に、筋肉密度が低く意図的にトレーニングをしないと育ちにくいのが胸の内側や下部と言えるでしょう。
各部位の筋肉のつきやすさ、構造を理解して狙って鍛えることが、メリハリがありバランスの取れた大胸筋をつくる近道です。
【ポイント3】筋トレの種類を変えて、様々な刺激をあたえる
筋トレを始めて2ヶ月ぐらいは、重量や回数がこなせるようになり、体型も変化していきやすくトレーニング効果が実感できます。
ですが、筋肉が刺激に慣れると負荷が薄れ筋繊維を頑丈にする動きは働かなくなり、筋力の維持はできても肥大化は止まります。
成長を止めないためには
- トレーニングメニューを変える(重さや回数)
- 同じ部位でも種目を変える(例:プッシュアップ→ダンベルフライ)
- トレーニングのセット内容を変える(種目の組み合わせや、休憩の有無)
など、刺激の与え方を変えて筋肉を慣れさせないことが必要です。
筋トレを変更したが効果を実感できない場合でも、1ヶ月など短期間で頻繁にトレーニング方法を変えるのは避け、まずはフォームや重さなど基本を見直してみてください。
ここからの記事は、具体的なトレーニング方法を記載していきますので、ポイントを抑えて行いましょう。
【自宅で鍛える】大胸筋トレーンニング3選
まず、自宅で手軽に取り組みやすい「自宅で行う大胸筋トレーニング」を3つご紹介します。
- ノーマルプッシュアップ
- ナロープッシュアップ
- ワイドプッシュアップ
腕立て伏せのバリエーションなので、怪我や失敗をしにくいのが特徴です。
大胸筋トレーニングが初めての方は、ぜひこの筋トレから初めてみてください。
【自宅で行う筋トレ1】ノーマルプッシュアップ
ノーマルプッシュアップ(腕立て伏せ)は誰でも行ったことのある基本的なトレーニングだと思いますが、ケガを防いで十分な効果を得るためにも正しいフォームをご紹介します。
- 腕を肩幅より少し広く開く
- 足を伸ばし、つま先と手のひら(腕)で体を支える
- 頭から足先まで一直線になるように姿勢を整える
- 肘を曲げながらゆっくりと体を倒す
- 床につかないギリギリまで体を下げてから地面を押し上げて元の姿勢に戻す
- 3〜5を繰り返す
目安回数は、1セット10回を3セットです。
ポイントは正しい姿勢をキープして、体を床につかないギリギリまで下げることです。
途中でお尻が上がったり、体の下りが浅くなると、トレーニング効果が望めませんので気をつけましょう。
【自宅で行う筋トレ2】ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップは手の幅を狭くして行うことで、胸の筋肉をメインに刺激が与えられる腕立て伏せのバリエーションです。
- 手の幅を肩幅より狭くして、腕立て伏せの体制をとる
- 目線を前に向けかかとから肩まで一直線に体を支える
- やや前方に倒すように、体をさげる
- 床ギリギリの位置で1秒姿勢をキープする
- 手のひらで床を押すように、体を起こす
- 3〜5を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セットです。
ナロープッシュアップは体を支える手の幅が狭くバランスを崩しやすいため、体が倒れてしまう人は肩から内側の位置の範囲で手の幅を調整すると良いでしょう。
また、負荷を増やしたい場合は手順4で姿勢をキープする時間を長くしてください。
【自宅で行う筋トレ3】ワイドプッシュアップ
手を可能な限り広げて行う腕立て伏せワイドプッシュアップは、代表的な大胸筋トレーニングの1つです。
- 両手を肩幅の2倍程度に広げて腕立ての姿勢をとる
- 足から肩までまっすぐキープして体を支える
- 肘と体の角度が90度になるよう、肘を開きながら体を下げる
- 床ぎりぎりの位置まで下げてから元の位置に戻る
- 3と4を繰り返す
肘の角度を90度に保ちつつ、体を床につかないギリギリの位置まで下げることが、大胸筋に効かせるコツです。
目安回数は1セット10回を3セットですが、回数よりも1回1回しっかり体を下げることを重視してトレーニングしてください。
【狙った部位を鍛える】大胸筋のトレーニング8選
ここからは、ダンベルやケーブルなど器具を使って行うトレーニングをご紹介していきます。
寝た姿勢で行うトレーニングの場合、事故を防止するため負荷や回数はトレーナーや経験者に相談すると良いでしょう。
- ダンベル・フライ
- インクラインダンベルフライ
- インクラインベンチプレス
- ダンベルベンチプレス
- デクラインダンベルベンチプレス
- ディップス
- ケーブルクロス
- ベックフライ
【基本のトレーニング】ダンベル・フライ
ダンベルフライは、軽めのダンベルを使って手を広げるよう曲げ伸ばしするトレーニング。
筋トレでありつつ、筋肉や関節を柔らかくできるので怪我の予防にもつながります。
- ベンチに背中をベタ付きせず、肩を落として胸を張る
- 足はきちんとかかとまで地面につける
- ダンベルを肩からまっすぐ持ち上げた位置がスタートポシジョン
- 真横にダンベルを広げていく(肘の角度は100度〜120度)
- 広げた両手(拳)の高さが胸の高さに合うところまで下げる
- 胸にしっかりストレッチが掛かっているのを確認して、ゆっくり真上に上げる(3の位置)
- 3〜6の動作を繰り返す
回数の目安は1セット8〜12回、インターバルを2分とり合計3セットとなります。
持ち上げた両手を合わせて伸ばし切らない、下げた肘を開きすぎない(120度ぐらいまで)ことが、大胸筋に負荷をかけるポイントです。
【上部の筋トレ1】インクラインダンベルフライ
角度をつけたベンチで行うインクラインダンベルフライは、大胸筋上部を集中的に鍛えることができます。
- ベンチの角度を30〜45度にする
- ベンチに背を預け足は踵をしっかりつけ、胸をはる
- ダンベルを持ち、手を肩からまっすぐの位置にあげる
- 真横にダンベルを広げていく(肘の角度は100度〜120度)
- 腕を元の位置に戻し、繰り返す
インクラインダンベルフライでは下げるときに、肩甲骨を寄せるよう意識してください。
腕の力だけで持ち上げる動きでは肩と腕に負荷が逃げてしまい、大胸筋への効果が見込めません。
回数の目安(筋肥大化が目的)は1セット6〜12回を3セットですが、正しいフォームで限界まで行うことが一番重要であり、回数にこだわりすぎないようにしてください。
【上部の筋トレ2】インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、ベンチに角度をつけることで大胸筋上部を狙ってトレーニングできる方法です。
※ベンチに角度をつけないフラットの場合は、大胸筋全体のトレーニングになります。
- ベンチの角度を30〜40度にする
- 胸を張り肩を引いた状態で背を預ける
- バーをおろした時に地面と腕が垂直になる位置に手を広げる(スタートポシジョン)
- バーを鎖骨より少し下に来るようおろす
- ゆっくり元の位置に戻す
- 3〜5をくりかえす
ポイントはバーを下ろしたとき、肘の位置が手首の真下にくることです。
肘が内側(体の上に肘がくる)に入ってしまうと、大胸筋への刺激が減り肩を痛める原因になるので、正確なフォームを心がけましょう。
回数の目安は1セット6~12回を3セットです。6〜12回で限界が来る重さでなければトレーニング効果が望めないため、重さを調節してください。
【中部の筋トレ1】ダンベルベンチプレス
大胸筋の中部を鍛えることができるダンベルベンチプレスは、バーベルプレスより大胸筋への収縮を強くかけるられるトレーニング方法になります。
- ダンベルを両手に持ち、頭、背中、お尻をベンチにつけて仰向けになる
(胸を張り、腰は浮かせた状態) - 両足を床につける
- 肘の45度にまげて、ダンベルをまっすぐ上にあげる
- 肘を伸ばし切らない位置でとめる
- ゆっくり3の状態に戻す
- 3〜5を繰り返す
回数の目安は1セット15回です。
腕を上げた時に肘を伸ばしきると大胸筋への負荷が抜けてしまうため、肘を伸ばし切らないことを心がけましょう。
【下部の筋トレ1】デクラインダンベルベンチプレス
デクラインダンベルベンチプレスは、体に角度(上半身を下方向に傾ける)をつけてベンチプレスを行うことで、大胸筋下部を狙って鍛えられ、筋肉のアウトラインを綺麗に作ることができます。
フラットベンチを利用した場合
- ダンベルを持ち、ベンチに寝転がる
- 足をベンチにあげる
- 姿勢を膝から上背部が一直線になるように持ち上げる
- 肘が常にダンベル下にくるよう、ダンベルを上げ下げす
フラットベンチで行う場合、滑らないように滑り止めシートを背中に強いて行うと安全です。
回数の目安は1セット8〜12回を3〜6セットです。1セットごとに1分半の休憩をして行いましょう。
【下部の筋トレ2】ディップス
ディップスはディップスマシンや、固定されたバーを使って行うトレーニングであり、立って行う腕立て伏せとも言えます。
- 肩幅より少し広い幅でディップスバーを握る
- 足は膝から下を曲げ、体を少し前に傾けて上体を持ち上げる
- 体の角度を維持したまま、体の上下(上げおろし)を繰り返す
回数の目安は1セット10回を3セットです。
ディップスは体を傾けず真っ直ぐに体を上下させると、首と肩に力がはいり痛める原因になるので姿勢に注意しましょう。
【全体の筋トレ】ケーブルクロス
ケーブルクロスはケーブルを引く動きで大胸筋に刺激を与えるトレーニング方法であり、腕の位置によって中部や下部など部位を狙って鍛えることができます。
- 腕を広げケーブルのハンドルを握る
- 足を前後に開き、体をやや前に傾ける
- 胸を張った状態で腕を体の前に合わせるように引く
- 体制をキープしたまま、腕を元の位置に戻す
- 3と4を繰り返す
※大胸筋下部を狙う場合、体の傾きをやや浅くして腕を下に閉じるように引く
回数の目安は1セット15~20回を3セットです。
肘を脇に寄せた状態でケーブルを引くと大胸筋への刺激が弱くなるため、肘を開いてこぶしを突き出すように引きましょう。
【全体の筋トレ】ベックフライ
ベックフライは腕を閉じる動作により大胸筋をピンポイントに鍛えることができるマシンであり、トレーニングの終盤やプレス系の筋トレで刺激が感じにくい人におすすめです。
- 座った状態でグリップの高さと胸のトップの高さが平行になるよう調整する
- 肘の中央が正面に向くように握る
- 胸を張って背中に空間を開ける(背もたれに背中全面をつけない)
- 左右同時に胸の前まで腕を閉じる
- 姿勢をキープしたまま、同じ軌道で身体の横まで腕を戻す
- 4と5を繰り返す
回数の目安は1セット10〜15回を3セット、1セットごとに2分の休憩をとって行ってください。
ベックフライでは腕を閉じた時に、頭以外の上体が前方に傾いたり肩が内側に入らないよう、つねに胸を張り背中にアーチを作った姿勢をキープすることが大切です。
【効果的に鍛える】筋肉を育てるトレーニング頻度とケア!
ここまで大胸筋のトレーニング方法をご紹介しましたが、実は 毎日筋トレをしてしまうと、筋肉を成長させるとができないことをご存知でしょうか?
ここからは筋トレの効果を無駄にしない、筋肉の成長に必要な「トレーニング頻度とケア」を解説していきます。
理想的なトレーニング頻度
筋肉はトレーニングの刺激で発達しますが、発達中に追加で刺激を加えると筋肉を分解させるホルモンが強くなり、かえって筋肉がつかないことが知られています。
つまり、成長を妨げないように筋肉を休ませる必要があり、トレーニング頻度を開けることがポイント!
効果的に筋肉を肥大化させるには、 3日〜4日あけて1回1時間ほどの短時間トレーニングがおすすめです。
筋トレの成果がわかりやすい大胸筋の場合、慣れてくるとつい過剰トレーニングになりやすいため、トレーニングの頻度と時間に注意を払って行いましょう。
大胸筋のストレッチ方法
筋トレ後にストレッチを行うことで、筋肉疲労を減らしつつ、筋肉をほぐして関節や筋への負担を減らすことができます。
ここでは簡単で、すぐできるストレッチをご紹介しますので、ぜひマスターして欠かさず実践してください。
【壁を使ったストレッチの手順】
1:壁に肘から手先までしっかり、手を付ける
2:体を壁と反対側(鳩尾を捻るように意識して)向けていく
3:呼吸に集中して20〜30秒キープ
4:体を元の位置にもどす
5:反対側も同じ手順で行う
正しい筋トレでメリハリのある大胸筋を手に入れよう!
当記事では、11つの大胸筋トレーニングとストレッチをご紹介しました。
自重、マシン、ダンベルなど大胸筋のトレーニングは豊富ですが、成功させる共通のポイントは「刺激が腕や肩に逃げないように正しい姿勢をキープすること」と言えます。
寝た体制で重量のある器具を持ち上げる動作も多いため、初心者はもちろん経験者でも、器具の重量や回数など安全性に注意を払いましょう。
大胸筋はトレーニング効果のでやすい筋肉です。紹介した正しいトレーニング方法を参考に、ぜひメリハリのあるかっこいい上半身を手に入れてください。
綺麗な形の大胸筋を作るならパーソナルジムへ
大胸筋を綺麗に鍛えるなら異なる刺激を与えたり、パーツごとに鍛える必要があり、ジムを選択される方が多いと思います。
ですが、個人で左右6パーツを狙い通り鍛えるのは難しいと言えるでしょう。
とくに胸板を厚くする筋肉量の増加が目的の場合、常に自分限界(重さや回数、頻度)を見極めて、トレーニングメニューを組み立てる必要があります。
綺麗な形の大胸筋を目指してジムに通うなら、マンツーマンで指導が受けられるパーソナルトレーニングをおすすめします。
当ELEMENTジムでは、一人一人の体型・筋肉量・年齢にあったプログラムを組み、1回たったの30分のトレーニングであなたの目的達成を着実にサポートします。
随時開催している初回体験トレーニングで「1回30分の効果的なレッスン」をお試しいただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。