筋トレと食事制限で体づくりをしているのに、以下のような悩みをもっている方も多いのではないでしょうか?
「なぜかまったく痩せないし、むしろ太ってしまった…。」
「体重は減ったものの、筋肉が落ちて体型が崩れてしまう。」
このような体の状態は、カロリー不足が引き起こしている可能性があります。
ダイエットが目的なら基本はアンダーカロリーの状態にすることが正解かと思われがちであり、カロリー不足で痩せない現象は矛盾しているように感じるでしょう。
そこで、カロリー不足で痩せられない理由を先にまとめました。
【カロリー不足で痩せにくくなる流れ】
- 必要以上に低カロリー、栄養バランスの偏った食事を続けることで筋肉は分解が進み、作られにくくなる。
- 筋肉量が落ちると基礎代謝も減り、1日に必要なカロリーも下がる。
- 下がった基礎代謝を元にアンダーカロリーにするため、食事量を減らすとまた代謝が落ちる。
- 低栄養が続くと体は生命維持のために、エネルギーの消費を抑えて脂肪を溜め込みやすくする。
カロリー不足で起こりやすい、この悪循環により「痩せにくく溜め込みやすい体」が作られ、筋肉ダイエットになったり、太りやすくなってしまうのです。
つまり、ダイエットの場合はアンダーカロリーは守るものの、極端なカロリー不足にならないよう「栄養バランスの整った食事をとり、適度な筋トレで筋肉を保つ」必要があります。
この記事ではカロリー不足だと痩せにくくなる複数の理由と対策、ダイエット中に効率の良い筋トレについて詳しく解説していきますので、体づくりの参考にしていただければ幸いです。
どれぐらい食べれば良いのか?カロリーの考え方
痩せるためにはアンダーカロリーにする必要がありますが、カロリー不足になると代謝が落ちて痩せない…。
では、1日あたりとって良いカロリーはいくつなのか?といえば、厚生労働省から目安が発表されています。
【1日の摂取カロリーの目安(活動レベルはふつう、男女とも18~64歳)】
- 女性:2000kcal
- 男性:2650kcal
しかし、もちろん年齢・性別・活動量で個人ごとに必要なカロリーは異なりますので、ご自身に合わせて計算してみましょう。
1日に必要な総摂取カロリーの計算
1日に必要なカロリーの計算は「基礎代謝×活動レベルに応じた計数」で知ることができます。
基礎代謝については体重計や計算ツールで確認すると便利です。
【身体活動レベル(男女共通:18歳以上70歳以下)】
低い(係数1.50) | 1日の大部分を座って過ごす、通勤・運動・歩行などが少なく静的な生活 |
ふつう(係数1.75) | デスクワーク中心だが、職場や買い物での移動、通勤・立ち作業や軽いスポーツで体を動かす生活 |
高い(係数2.00) | 日常的に移動や立ち仕事をおこなっている、活発な運動習慣をもっている生活 |
【基礎代謝と活動レベルをもとにした計算例 】
男性/身長170㎝・年齢30歳・体重68kg・体脂肪20%・活動レベルふつうの場合
1532kcal(基礎代謝)× 1.75(活動レベル)= 2681kcal(1日の総摂取カロリー)
1日の総摂取カロリーを基準に摂取カロリーを90%程度にする、または200〜300kcal減らし徐々に体重が落ちていけば適正なダイエットが行えていると判断できます。
もし、全く変化がなければ消費カロリーと摂取カロリーが釣り合っている状態のため、活動レベルを上げるか摂取カロリーを少しだけ減らすなど調整が必要です。
自分にあった1日に必要な総摂取カロリーを知ることで、食事の管理がしやすくなり極端なカロリー不足を避けることができるしょう。
カロリー不足中の筋トレはカタボリックになりやすい!
カタボリックとは、科学用語では「異化(大きな分子が小さく分解される)」という言葉ですが、筋トレでは「筋肉が分解される」意味として使われています。
普通の状態でも筋肉はつねに合成と分解を繰り返しており、合成が上回れば筋肉が成長し、分解が上回れば筋肉が減っていく仕組みです。
筋肉の分解を防ぐ=合成を活発にするには、消費を超える摂取カロリーが必要なため、筋肥大を目指す方はオーバーカロリーが必須となります。
カロリー不足になるほど筋肉の分解が進みやすくなるので、極端なカロリー不足の状態で行うエネルギー消費の激しい筋トレはかえって筋肉を減らす可能性が高まってしまうのです。
筋肉を減らさないための5つの行動
体脂肪は落ちないのに筋肉が減ってしまう状態は「筋肉ダイエット」と呼ばれ、基礎代謝が下がることで痩せにくなる悪循環に陥りやすくなります。
筋肉を増やすには前述の通りオーバーカロリーが基本なので、ダイエット中は増やすことが体の仕組みとして困難です。
そのため、ダイエット中はこれから紹介する筋肉が減る行動を避け、筋肉量をできるだけキープすることが重要と言えます。
行動①:タンパク質を不足させない!
ダイエット時のPFCバランスは、以下の割合が推奨されています。
- タンパク質(P):13〜20%
- 脂質(F):20~30%
- 炭水化物(C):50~65%
タンパク質は全身(筋肉・骨・血)を作る材料となる栄養であり、不足した状態で筋トレを行うと筋肉の分解が進みます。
通常であればタンパク質は体重1kgあたり0.8~1gが必要とされますが、トレーニングをされる方は1.2~2.0gを目安に接種し、材料不足による筋肉減少を起こさないようにしましょう。
例:体重60kgならタンパク質は1日72~120gです。
行動②:食事は最低3食!こまめに栄養補給をしよう
1食で食べられる量は人によってまちまちですが、体が一度に吸収できる栄養の量には限度があり、タンパク質であれば40~50gが限度と言われています。
糖質はすぐにエネルギーとして使用され、筋肉にも貯蔵されますがその量はわずかです。
つまり1度にまとめて食べても、そのぶんの栄養を全て貯めておくことはできないので、1日3回の食事を前提にトレーニング前後にも補食をとるなど、こまめな栄養補給を行うと良いでしょう。
【トレーニング前後の補食の例】
開始前:開始1時間前ぐらいに、おにぎりやバナナなど消化に良い食品で糖質・水分・アミノ酸をとる
終了後:45分以内に、ゆで卵やプロテインドリンクなどすぐ食べられる食品でタンパク質をとる
筋トレ前後の食事に関しては以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
行動③:エンプティカロリーを避ける
ほぼ糖質と脂質でできた「高カロリーだが栄養がほぼ含まれない食品」はエンプティカロリーと呼ばれ、ジャンクフードやお酒、甘いお菓子などが代表的な食品となります。
ビタミンやミネラルは糖質・脂質・タンパク質と異なりエネルギーにはなりませんが、それらの分解や合成を助ける働きがあり、体づくりのサポートに欠かせない栄養です。
1日にとって良い総摂取カロリーの範囲内でも、必要な栄養のとれないエンプティカロリー食品でカロリーの帳尻を合わせるのはおすすめできません。
また、お酒は筋肉の合成を阻害し分解しやすくするため控えてほしいところですが、禁酒が強いストレスになる方は筋肉が減る要因になりえます。
そのため、飲む際は焼酎やハイボールなど糖質の少ないお酒を少量にして筋肉への悪影響を減らしましょう。
筋トレとお酒の関係に関しては、以下の記事でも解説しています。
行動④:長時間の有酸素運動を控える
ダイエット中は筋トレと有酸素運動を組み合わせて、筋肉をキープしつつ脂肪燃焼を促すメニューを行なっている方も多いと思います。
しかし、長時間の有酸素運動はエネルギー切れにより筋肉が分解されやすく、コルチゾール(ストレスホルモン)も増加するため体脂肪を溜めやすくします。
補食でエネルギー補給しつつ軽めのウォーキングをするなど、筋肉を減らさないよう有酸素運動は調整しながら行いましょう。
以下の記事では、筋トレと有酸素運動の組み合わせ方について解説していますので、あわせて参考にどうぞ!
行動⑤:しっかり睡眠をとる
睡眠不足は筋肉の回復が遅れる・日中の代謝が下がる・食欲のコントロールが安定しないなど、ダイエットにとって良い影響を与えません。
筋肉は筋トレで負ったダメージが回復する時に、前より強くなろうとする働きが起こり成長していきます。
睡眠不足になると、成長ホルモン(タンパク質の合成を進める)の分泌が不十分となり筋肉の回復が遅れてしまいますので、基礎代謝を守るためにも7~8時間しっかり寝るようにしてください。
筋トレは大きな筋肉を狙い効率的に鍛えよう!
ダイエット中の筋トレは、繰り返しになりますが筋肉量のキープが目的です。
基礎代謝を守るとともに、カロリーを積極的に消費し脂肪を燃焼させることも考えると、ほぼ毎日運動しても良いという意見のほか、週3程度が良いという意見もあります。
しかし、頻度や負荷をどの程度かけるかは、筋トレや運動経験の有無、現在の体型などで変わってくるため一概にこれが正解とは残念ながら言えません。
ただし、運動未経験の方や肥満傾向が強い方がいきなり毎日負荷の高い運動をするのは体に負担がかかりすぎ怪我をしたり、負担に感じて諦めてしまう要因になると思います。
まずは、大きな筋肉を鍛えて効率的に基礎代謝を維持することから始めてみてください。
以下でオススメのメニューと詳しい解説記事をまとめましたので、参考にどうぞ!
【大きな筋肉を鍛えるおすすめ種目】
- スクワット:全身の60~70%の筋肉量をもつ下半身(ふとももやお尻、ふくらはぎ)全体をまとめて鍛える
→スクワットの正しいフォームやよくある間違いは?アレンジ8種も紹介 - プッシュアップ:上半身で大きな筋肉量をもつ、三角筋(肩)と大胸筋(胸)を鍛える
→腕立て伏せで得られる効果とは?筋力不足で可能なトレーニング法を解説! - 懸垂:背中の大きな筋肉、広背筋をメインに腕や腹筋、体幹を鍛える
→懸垂で得られるトレーニング効果を正しいフォームと注意点と一緒に解説!
カロリー調整や筋トレを始めるなら、パーソナルジムがおすすめ
この記事では、ダイエットであってもカロリーが不足しすぎると痩せにくくなる理由や筋肉を減らさない対策方法、総摂取カロリーの把握が大切な点などを解説してきました。
極端な食事制限や運動をせず、ご自身に必要なカロリーを目安に摂取カロリーを調整をし、筋トレで代謝を保つのが失敗しにくいダイエットのコツと言えるでしょう。
しかし、カロリーはとれているが栄養が偏ったり、筋トレが正しくできていないなど、有益なダイエット情報は数多くあっても、初めからうまく減量できる人ばかりではないと思います。
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