「カッコイイ背中になりたくて懸垂がしたいけど、回数をこなせない」
「懸垂ができるイメージが全く湧かない」
このような悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
ジムで懸垂をスイスイやっている人はカッコよく見えますよね。実際、懸垂ができる人は背中にかなりの筋肉がついています。
大きくて分厚い背中を作るために、懸垂は最も適した種目の一つです。
しかし、正しいフォームでトレーニングをするのが難しい種目でもあります。
そこで今回の記事では以下の内容を解説します。
- 懸垂ができない原因
- 懸垂の正しいフォーム
- 懸垂ができるようになるためのトレーニング
- 懸垂にこだわらなくても良い理由
「懸垂ができるようになりたい」「カッコイイ背中を作りたい」のであれば、ぜひ参考にしてください。
懸垂ができない原因
懸垂は他の筋力トレーニングと違い、スタートポジションの時点で「自身の体重」が負荷としてかかります。
この負荷の大きさが「カッコいい背中」を作るために大切なポイントであり、懸垂を行うことが難しい1番の要因です。
また、懸垂ができない原因は他にもあります。
- 筋力が足りていない
- 体重が重い
- フォームが悪い
- 握力が足りない
詳しく説明していきましょう。
原因①:筋力が足りていない
懸垂は負荷が大きい種目。正しいフォームで行うには、ある程度の筋力が必要となります。
ジムに通っている成人男性でも懸垂を正しいフォームで行える方は多くありません。
そのため、懸垂を正しいフォームで行えるようになれば、一般の方とは明らかに違う、たくましい身体に近づけるでしょう。
原因②:体重が重い
自身の体重が直接、負荷としてかかる懸垂は、体重が重いとそれに比例して負荷も大きくなります。
「上半身の筋力に自信はあるし、マシンでも重い負荷で行えるけど、懸垂ができない」という方は、ほぼ間違いなく「自身の体重が重い」ことが原因で懸垂ができません。
そのような方は少し体重を落とせば懸垂はできるようになります。
しかし、現在の体重のままでも懸垂に必要な筋力をつければ、自然とできるようになるでしょう。
原因③:フォームが間違っている
一般的に負荷が大きい種目ほど、効果を得るためには正しいフォームが重要となります。
なぜなら、正しいフォームは自身のもつ筋力を適切に発揮できるようにするからです。
懸垂は負荷が大きく、マシンのように身体を固定するものはないので、いかに「自身の身体をうまくコントロールできるか」が大切なポイントと言えます。
例えば、よくある間違ったフォームの例は以下の通りです。
- 背中が丸まって、腕の力で上がっている
- 脚がブラブラで上半身を固定できていない
- 手幅が狭すぎる、もしくは広すぎる
このような間違った例を見直すだけでも、懸垂ができるようになることもあるので、参考に試してみてみてください。
原因④:握力が足りない
意外に感じる方もいるかもしれませんが、懸垂をするには握力が必要です。
もし握力が足りないと、背中の力を正しくバーに伝えられず、自分の体重の負荷に耐えられません。
握力に自信がない方にはパワーグリップがおすすめです。
握力のサポートをするトレーニンググッズで、パワーグリップを使えば握力のなさをサポートしてくれます。
懸垂に限らず、背中のトレーニングでは握力が必要になるケースが多いので、持っておくと良いでしょう。
原因⑤:姿勢が良くない
フォームの話にも繋がりますが、懸垂をおこなう際は姿勢が大事です。
猫背の方は背中の力が上手く使えずに腕ばかりが疲れてきます。
腕の力は背中に比べて弱いので、結果的に懸垂ができないことに繋がるのです。
懸垂の正しいトレーニング方法
懸垂で使う筋肉を紹介しましたが、正しいフォームで行うことで狙った部位に正確に負荷を乗せられます。
最初はできなくても正しいフォームのイメージを持つことは効果的なトレーニングのために大切なので、以下を参考にしてください。
- 肩幅程度に手幅を開いた状態でバーを握り、ぶら下がる
- 顔を上に向け、胸を張り少しそらした状態で腕を曲げ、身体を引き上げる
- 胸がバーにつくくらい引き上げていき、背中を収縮させる
- 背中の負荷を抜かないようゆっくりと戻る
- 1~4を繰り返し行う
懸垂をする時に意識したい4つのコツ
懸垂時に意識すべきコツは以下の通りです。
- 回数にこだわらない
- 胸を張り続ける
- バーを握り込みすぎない
- 腕を組んで状態を安定させる
①回数にこだわらない
懸垂を行う際に回数を意識しすぎると、背中の筋肉を上手く使えない原因になります。
なぜなら回数をこなすために腕の力を利用してしまうからです。
もし「懸垂の回数を多くやる」が目的であれば、腕の力を使っても良いでしょう。
しかし「筋肉を鍛える」ための懸垂を行うのであれば、動作はゆっくりと、背中のストレッチと収縮を感じながら行いましょう。
慣れないうちは回数は多くできないかもしれませんが、背中に対する負荷を高めるためには回数を意識しすぎないことも大切です。
②胸を張り続ける
胸を張って懸垂することで、背中の収縮を高められます。
良くない例が「バーを超えようとする」ことで、これをすると顎を上げようと意識しすぎて、胸を張れなくなります。
結果的に背中の収縮は弱まり、腕への負担が大きくなってしまうのです。
人によって背中の収縮感を得られる可動域は変わるので、胸を張り続け、肘を引き切り、背中を最大限収縮させる意識を持ちましょう。
③バーを握り込みすぎない
バーは握り込みすぎず、中指・薬指・薬指に引っかけるイメージで行いましょう。
バーを握り込むと腕先に力が集中し、背中を使っている感覚が鈍くなってしまいます。
またこの3本を主体にバーを握ることで背中に意識を持っていきやすくなります。
最初のうちは難しいと思いますが、まずは親指・人差し指に頼らない意識から初めてみましょう。
④脚を組んで上体を安定させる
脚がふらついていると上体は定まらず、フォームが安定しません。
スタートポジションでバーにぶら下がった状態時から脚を組み、上体を安定させましょう。
脚を組み上体を安定させることで、胸を張りやすくなり、フォームを意識してトレーニングしやすくなります。
懸垂ができるようになるための具体的な方法
懸垂は背中の筋肉を鍛えるのに効果的な種目ですが、難易度も高いです。
そこでここからは、思うように懸垂ができないという方に向けて、懸垂ができるようになるための方法を紹介します。
懸垂に近い動きで取り組めるので、背中に対する負荷は大きく「懸垂ができるイメージ」を持てるはずです。
女性でもできるので、ぜひ試してみてください。
①懸垂に必要な筋力をつける
懸垂は背中を鍛える種目の中でも、1,2を争うほど強度の高い種目。
実際の懸垂に近い種目や、マシンで背中の筋力を上げていくことが懸垂をできるようになるために必須と言えるでしょう。
そこで、懸垂の動きに近い実践的な2つの種目を紹介します。
ネガティブ懸垂
ネガティブとは重さに対抗しながら、元の位置に戻る動作のこと。懸垂でいうと、上体を引き上げた後にスタートポジションに戻る動作のことですね。
懸垂はネガティブ動作の方が負荷が大きく、懸垂に必要な筋肉をつけるのに非常に効果的です。
「体重が重い」「筋力が足りない」といった方でも、上体を引きあげていく動きがない分取り組みやすいでしょう。
やり方
- 通常の懸垂と同じようにバーを握り、スタートポジションの姿勢を作る
- 床を蹴り上げて、フィニッシュの姿勢を作る
- ゆっくりと背中のストレッチを感じながら、おろしていく
ポイント
- まっすぐ上にジャンプする
- ゆっくりと身体を下ろしていく
ネガティブ懸垂では、フィニッシュの姿勢を作りに行く際にジャンプをしますが、勢いよくジャンプすると身体がふらついてしまい、最初のフォームを作るのが難しくなってしまいます。
そこで大切なのが、「まっすぐ上にそっとジャンプ」するイメージです。ジャンプをした瞬間に「脚を組む」ことで安定感はかなり増すので、意識してみてください。
また、ゆっくりと身体を下ろしていくことも意識しましょう。ゆっくりと下ろすことで背中のストレッチを感じることができ、刺激を強くかけられます。
斜め懸垂(インバーテッド・ロウ)
両足を地面につけて行う斜め懸垂は、女性や懸垂ができない方にもおすすめです。
脚の位置、バーの設定位置で負荷を変えることができます。
斜め懸垂で懸垂のイメージを掴み、徐々に負荷を上げていけるようにしましょう。
やり方
- バーベルをラックにセットする(セットする位置が高いほど負荷は小さくなります)
- 仰向けに寝転がり、手幅は肩幅より少し広いくらいでバーを握る
- かかとだけを床につけ、身体はまっすぐにキープする
- 胸を張り、肩甲骨を寄せて上体を引きあげていく
- 背中の収縮を感じるとこまで引き上げたら、ゆっくりとスタートポジションに戻る
ポイント
- 脚の力は借りない
- 身体はまっすぐをキープする
斜め懸垂をする際は、脚の力を借りずに、上体だけの力で行いましょう。
また、通常の懸垂と同じように、身体はふらつかないように意識してください。脚から上体をまっすぐにすることで、動作を丁寧にゆっくりと行えます。
②自分の体重を減らす
体重が平均よりも重い方は体重を減らすだけで懸垂ができるようになる可能性はあります。
「とにかく早く懸垂ができるようなになりたい」こんな方は体重を減らすことを第一優先に考えるといいでしょう。
以下の記事では、脂肪の減らし方を食事・有酸素運動・筋トレの観点から解説しているので、参考にしてください。
③握力をつける
懸垂において握力は大切な要素。
握力に特化した種目よりも、背中を鍛える種目を高重量で行うことで筋力と握力の両方をバランス良く鍛えられます。
手っ取り早く握力を上げたい方はパワーグリップを使うのがおすすめです。
④正しいフォームを理解する
どれだけ背中の筋力があっても正しいフォームを理解できていなければ、上達に時間がかかってしまうでしょう。
正しいフォームを頭で理解し、繰り返し練習することで効率的に筋力を扱えるようになります。
今回の記事で懸垂の正しいフォームを解説しているので、参考にしてください。
懸垂の代用となる背中を鍛えるトレーニング
トレーニングの目的が「カッコいい背中になりたい」であれば、懸垂にこだわりすぎる必要はありません。
懸垂は負荷が大きく、背中の筋肉を鍛えるためには非常に有効的です。
しかし、懸垂以外にも背中の筋肉を効率的に鍛えるられるトレーニング方法もあるので、参考にしてください。
【ジムでできる】おすすめの背中トレーニング
まずは、ジムでマシンを使って取り組める背中トレーニングを2つ紹介します。
ラットプルダウン
【やり方】
- 肩幅よりも広めの手幅でバーを持つ
- 胸を張り、肘を広背筋に向かって寄せるイメージでバーを引いていく
- バーを戻す際、ゆっくりと背中のストレッチを感じながら戻していく
【ポイント】
- 背中に負荷を乗せる意識をもつ
- 身体を上げたところで上を向き、胸を張る
スタートポジションで肩甲骨を下げることで、背中に負荷を乗せやすくなります。
また、身体を上げきったところで上を向き、胸を張ると背中の筋肉を使っていることを感じやすくなるはずです。
シーテッドロウ
【やり方】
- マシンに座り、バーを握り骨盤を前傾(お尻の穴が後ろを向いた状態)させる
- 胸を張り、広背筋の収縮を感じながら肘を引く
- 広背筋のストレッチを感じながらゆっくりとバーを戻していく
【ポイント】
- 骨盤を後傾させない
- 動作スピードはゆっくり行う
シーテッドロウをする時は、骨盤が後傾した姿勢にならないように注意しましょう。骨盤が後継すると背中に負荷をかけにくくなってしまいます。
また、動作をゆっくりすることで、背中への負荷を高められるので、参考にしてください。
家でやる際におすすめの背中トレーニング
「ジムに通ってないからマシンを使ったトレーニングができない」という方は、器具を使わず自宅で取り組める背中トレーニングをやってみましょう。
バックエクステンション
【やり方】
- 床にうつぶせになり、頭の横あたりに両手を添える
- 上を見上げるように背中をそって頭を持ち上げ少し静止し、背中を収縮させる
- 背中の力を抜かないよう、ゆっくりと頭をおろしていく
【ポイント】
- 背中を反りすぎない
- 頭に添えてる手に力が入らないようにする
バックエクステンションをする時は、背中の反りすぎには注意です。負荷がかかりにくくなり、ケガにも繋がりません。
また、回数をこなしていくと疲れから腕に力が入りがちなので、注意しましょう。背中を使う意識が持ちにくくなります。
以下の記事では、体幹のトレーニング方法を解説しているので、参考にしてください。
エアーラットプルダウン
【やり方】
- イスや床に座り、手幅は肩幅で両手をまっすぐ上にあげる
- あげた両手を広背筋に向かって胸を張り、寄せていく
- 背中の収縮を感じられるくらい肘を身体に寄せていき、静止する
- 1~3を繰り返す
【ポイント】
- 胸を張り、肘を広背筋に寄せるイメージを強くもつ
- 両手を上にあげた状態で、広背筋が伸びているイメージをもつ
エアーラットプルダウンでは、胸を張って肘を広背筋に寄せるイメージを持ちましょう。ただ両手を下ろすだけでは背中への負荷はかかりにくいです。
もっと広背筋を鍛えるトレーニングを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
実践的なトレーニングで理想の身体を実現したい方はパーソナルジムへ!
今回は「カッコイイ背中」や「たくましい背中」を作りたい方に向けて、おすすめの種目である懸垂を紹介しました。
背中の筋肉を発達させるには「使っている感覚」や「正しい姿勢、フォーム」が重要です。
背中は「日常生活で使う機会が少ない」「自身で目視することができない」などの理由から自分流でおこなうと、上手く筋肉をつけにくいパターンが多いです。
そこでおすすめなのがパーソナルジム。
パーソナルジムでは、プロのトレーナーからマンツーマンで指導を受けて、正しい知識やトレーニング方法が身につきます。
パーソナルジムで基礎を学びその後に1人でジムデビューをするといった方も多いです。
当ジムELEMENTは、月額38,280円でパーソナルトレーニングが受け放題となっています。
体験トレーニングを随時受け付けていますので、以下のボタンからお気軽に申し込みください。