「腹筋を鍛えるのに懸垂って有効なの?」
「懸垂で腹筋を鍛える際のポイントを知りたい」
懸垂に対して、腕や肩周り、背中の筋肉を中心に鍛えるトレーニングというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実は懸垂で腹筋を鍛えることも可能です。
ただし、腹筋目的で懸垂トレーニングを行うときは意識するべきことがあります。
そこで今回は、懸垂で腹筋を鍛える際のポイントやおすすめのトレーニングメニューを解説します。
腹筋を鍛えるためにも、懸垂のトレーニングバリエーションを増やすためにも、参考にしてください。
【腹筋の構造】懸垂で鍛えられる筋肉
懸垂トレーニングをご紹介する前にまずは腹筋の構造と、懸垂で鍛えられる腹筋について把握しておきましょう。
腹筋は大きく4つに分かれています。
- 腹直筋
- 腹横筋
- 内腹斜筋
- 外腹斜筋
それぞれ詳しく解説していきます。
シックスパックを形成する腹直筋
腹直筋は腹筋軍の中では最も表面に近く、シックスパックを形成する箇所です。
一般的にいわれる「腹筋」がこの腹直筋にあたります。
そのため、腹筋を割りたい場合はこの腹直筋を鍛える必要があることを覚えておきましょう。
インナーマッスルの腹横筋
腹筋群の中で最も深い場所にあるのが腹横筋で、腹直筋と腹斜筋の内側についています。
深い場所にあるため、見た目には表れませんが、インナーマッスルとして体幹を強くする筋肉です。
腹斜筋とあわせて鍛えることで効率良く、くびれを作れます。
くびれを作る外腹斜筋
腹斜筋のひとつである外腹斜筋は肋骨の外側から骨盤周りにかけて伸びている筋肉です。
外腹斜筋を鍛えることでくびれを作り、逆三角形のボディに近づけます。
また、外腹斜筋を鍛えると側面にラインが見えてくるため、シックスパックの見た目がさらに良くなります。完璧なシックスパックを作りたい方は腹直筋とあわせて鍛えるのがおすすめです。
くびれ作りをサポートする内腹斜筋
外腹斜筋の内側にあるのが内腹斜筋です。
外腹斜筋の動きをサポートする筋肉で、外腹斜筋と同じく鍛えれば、くびれを作れます。
基本的に外腹斜筋と内腹斜筋は「腹斜筋」として大きくとらえて鍛えれば、両方とも同時に鍛えることが可能です。
懸垂で腹筋を鍛える際の3つのポイント
腹筋の構造を知れたところで、懸垂で腹筋を鍛える際のポイントを見ていきましょう。
- 腹筋に刺激を与えられるフォームを身に付ける
- 呼吸のタイミングを意識する
- 動作のスピードで不可を調節する
それぞれ詳しく解説していきます。
腹筋に刺激を与えられるフォームを身につける
懸垂で鍛えられる筋肉は「上腕二頭筋」「背広筋」がメインになり、同時に「腹筋」や「体幹」を鍛えられます。
そのため、懸垂で腹筋を鍛えたい場合は、腹筋に刺激を与えられるフォームで正しくトレーニングをする必要があります。
懸垂のトレーニングを行う時は「腹筋」に力が入っていることを意識して行ってみましょう。
呼吸のタイミングを意識する
懸垂だけにかかわらず、腹筋のトレーニングを行うときは呼吸が非常に重要になってきます。
なぜなら、腹筋は内部に臓器が入っていて、腕や足の筋肉とは性質が少し異なるからです。
肺に空気が入った状態のまま動作を行うと腹直筋が収縮されずに効果が半減してしまいます。
そのため、力を入れて動作を行うポジティブ動作の時にはしっかりと息を吐き切ることを意識しましょう。
動作のスピードで負荷を調整する
トレーニング中の動作のスピードを変えることで、腹筋への負荷を調整することができます。
動作を早くすると負荷は弱くなり、動作をゆっくりと行うと負荷が強くなります。
懸垂系のトレーニングを行うときは筋肉を伸ばす動作(ネガティブ動作)の際に一気に脱力するのではなく、力を入れたまま徐々に下げていくことで負荷を強められるので、意識して行ってみましょう。
腹筋を鍛える懸垂トレーニング8選
腹筋の構造と鍛えるポイントを把握できたところでおすすめの懸垂トレーニングを8つご紹介していきます。
- ハンギングレッグレイズ
- チンアップ
- ハンギングシザーキック
- トートゥーバートレーニング
- キッピングチンニング
- L字懸垂
- ウィンドシールドワイパー
- フロントレバー
難易度の低いものから順に紹介しています。それぞれやり方とポイントを見てきましょう。
【難易度★】ハンギングレッグレイズ
腹直筋をメインに鍛えるトレーニングです。
【やり方】
- 懸垂ができるバーにぶら下がる
- 足を伸ばした状態のまま上げる
- 90度まで上がったら少しだけキープ
- 停止した後足を下げていく
回数の目安:15~20回を3セット
【ポイント】
トレーニング中は体を揺らさないように意識しましょう。揺れてしまうとその反動で足を持ち上げることになるので、負荷が弱くなってしまいます。
また、脚の上げ下げのスピードはゆっくり過ぎると負荷が強すぎてしまうため、始めのうちは速さを調整しながら、もしくはひざを曲げた状態で行うのがおすすめです。
膝を曲げた状態で行うのはハンギングニーレイズを言います。
【難易度★】チンアップ
チンアップは懸垂のことを言い、懸垂トレーニングの王道です。
【やり方】
- 手のひらが自分側に向くようにバーを握る
- あごがバーと同じ高さになるまで身体を持ち上げる
- 体を持ち上げた状態で少しだけキープ
- ゆっくりと身体を下ろしながらひじを伸ばし切らないところまで下げる
- 体の上げ下げの動作を繰り返し行う
目安の回数:10~15回を3セット
【ポイント】
チンアップは背広筋下部と上腕二頭筋を鍛えるトレーニングですが、腹筋に意識を向けることでお腹周りの筋肉に刺激を与えることができます。そのため、腹筋への意識を忘れずに行いましょう。
また身体を下ろす時に一気に下ろしてしまうと肘や肩を痛めてしまいますので、必ずゆっくりと、そして肘は下げ切らないように意識してください。
【難易度★★】ハンギングシザーキック
腹筋と太ももを鍛えることができるトレーニングです。
【やり方】
- 手幅を肩幅程度に開き、バーにぶら下がる
- 両ひざを伸ばしたまま交互に足を上げる
- リズム感よく動作を繰り返す
目安の回数:10~15回を3セット
【ポイント】
足を持ち上げる時は床と平行になるように意識しましょう。ハンギングシザーキックも負荷が強いため、筋肉を傷めないために最初は回数を少なめにし、慣れてきたら増やすのがおすすめです。
【難易度★★】トートゥーバートレーニング
腹筋下部をメインに鍛えるトレーニングで、シックスパックを作りたい方におすすめです。
【やり方】
- バーにぶら下がる
- 足を伸ばした状態で反動をつけながら足を持ち上げる
- つま先がバーについたら足を下に下げる
- 足の上げ下げの動作を繰り返し行う
目安の回数:15~20回を3セット
【ポイント】
反動を使って足を持ち上げるトレーニングですが、勢いをつけすぎると関節を痛めてしまう恐れがあるので気を付けましょう。
【難易度★★★】キッピングチンニング
反動を使いながら行う懸垂トレーニングです。
【やり方】
- バーや鉄棒にぶら下がる
- 足を伸ばした状態で体を前後に振り、反動をつける
- ひじを曲げて身体をバーに向かって引き上げる
- あごがバーにつくぐらいまで持ち上げる
- 腕を伸ばし身体を下ろす
- 体の上げ下げを繰り返し行う
目安の回数:15~20回を3セット
【ポイント】
反動をつける際は股関節が前後に開いていることを意識して行いましょう。
また膝を曲げてしまうと動きが大きくなりフォームが乱れてしまうので、気を付けてください。
【難易度★★★】L字懸垂
腹直筋にしっかりとアプローチできるトレーニングです。
【やり方】
- 順手もしくは逆手でバーを握る
- 足を上げ、床と平行にした状態で身体全体で「L」字を作る
- あごをバーの高さになるまで、ひじを曲げながら身体を持ち上げる
- その状態で少しキープ
- 足は床と平行の状態を保ちながらゆっくりと身体を下げていく
- 体の上げ下げの動作を繰り返し行う
目安の回数:10~15回を3セット
【ポイント】
腹筋下部を意識しながら足を持ち上げることで腹直筋に効かせることができます。
また、反動を使わず、ひざを伸ばした状態をキープすることで筋肉に刺激を与えられるので意識しましょう。
【難易度★★★★】ウィンドシールドワイパー
腹筋トレーニングの中でも最も強度の高いトレーニングです。
【やり方】
- バーを肩幅程度で握り、ぶら下がる
- 上半身が床と平行になるようにし、両足は床に対して垂直になるように身体を持ち上げる
- 状態をキープしたまま両足を閉じたまま左右に大きく振りながらひねる
- 可動域はできるだけ大きくし、左右にワイパーのように振る
- 両足を左右に振る動作を繰り返し行う
目安の回数:10~15回を3セット
【ポイント】
バー近くまで上げた上半身が下がってきてしまうと効果が弱くなってしまうので、常に上半身が床と平行になっていることを意識してトレーニングを行いましょう。
【難易度★★★★★】フロントレバー
体幹、上腕二頭筋、腹筋が全て鍛えられていないとできない難易度の高いトレーニングです。
【やり方】
- 手幅を肩幅に開き、バーを順手で握る
- 足をまっすぐに上げる
- 方から足先が地面と水平になるようにキープ
目安の回数:特に無し
【ポイント】
難易度が高いトレーニングのため、目安の回数はありません。徐々に段階を踏んで完成形に持っていくようにしましょう。
始めからできる方は少ないので、まずは足を曲げたりと負荷を弱めた状態で行うのがおすすめです。
そもそも懸垂ができない場合は?
懸垂トレーニングの前に、そもそも懸垂がまだできない場合は何から始めてよいのか迷っている方もいるのではないでしょうか?
懸垂ができない場合は、無理やり上記のトレーニングを行うのではなく、まず「体重を落とす」「筋力をつける」の2つを行いましょう。
体重を落とす時は、筋肉量は落とさずに行うのがポイントです。
筋力をつける時は腕の筋力だけではなく、懸垂時に必要な筋力をつける必要があります。
- 背広筋
- 大円筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 大胸筋
- 三角筋
- 前腕屈筋群
これらの筋肉を鍛えて懸垂ができるようになってから、懸垂系のトレーニングに取り組むようにしましょう。
また、腹筋を鍛える方法は懸垂以外にも様々あります。ぜひ以下の記事も参考にしてください。
まとめ:懸垂で腹筋を鍛えるにはフォームを意識しよう
腹筋を鍛えられる懸垂系のトレーニングメニューとトレーニング時のコツなどを解説してきました。
懸垂で腹筋を鍛えるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 腹筋を刺激できる正しいフォームで行う
- 呼吸を意識する
- 動作のスピードで負荷を調整する
また、懸垂がそもそもできない場合は、懸垂ができるだけの体型と筋肉をつける必要があります。
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