ゴルフのスコアを良くするためにはコース戦略や技術など多くの要素を必要としますが、飛距離の向上もスコアアップに貢献します。
飛距離を伸ばすためには、コントロールが安定したスイングでミート率を上げる=全身の力を活かして正確なフォームで球を打つことが一般的な方法と言えるでしょう。
それを実現するために必要なことは、筋トレによる体づくりです。
この記事では、ゴルファーが鍛えるべき筋肉と役割、おすすめのトレーニング方法を1つずつ詳しく解説していきます。
ゴルフをする上で、過度の筋トレを控えた方が良い筋肉もあわせてご紹介しますので、ぜひお役立てください。
筋トレがミート率を上げる理由
飛距離を伸ばす方法として、よく言われる言葉「ミート率」をご存知でしょうか?
ミート率とは簡単にいうと、どれだけ効率的にボールを打てたかを示す数値であり「ボールの初速(m/s)÷ヘッドスピード(m/s)」で計算され、数値が高いほど無駄のないショットが打てたと判断できます。
男女ともプロの平均ミート率は1.5程度なので、アマチュアの場合1.3ほどであれば十分好成績の範囲と言えるでしょう。
【ミート率を上げるコツ】
- ボールの初速を上げる(中心を正確に素早く打ち抜く)
- ヘッドスピードを上げる(適切な重さのドライバーを素早くスイングする)
つまり、正確なフォームで素早くボールの芯を打つことでミート率は上がり、飛距離UPにつながります。
フォームが安定した再現性の高い正確なスイングを実現するには、体の軸を安定させる体幹・軸を曲げない背筋・体を支える下半身の筋トレが重要なのです。
自宅で行うゴルファーの筋トレ4選
筋トレは大切ですが、もちろんそれだけでは正確なスイングは身につきません。
下半身で姿勢を支え、体重移動や体の力を連動させて上半身を捻り、遠心力によってボールを打つスイングの正しいフォームを体が覚えるまで繰り返し練習するのが基本です。
ですが、筋力不足により体の安定性を欠いた状態で行う反復練習は効率が悪く、間違ったスイングが身に付いてしまうこともあるため、筋トレによる土台作りが必要となります。
筋トレは体の軸を安定させる以外にも、柔軟性(可動域)があがることで、スムーズに体を動かせるようになり怪我の予防効果も期待できるのです。
ここからは、ゴルフのスイング上達にぜひ取り入れてほしい、自宅でできる各部位の筋トレをご紹介していきますので、ぜひ挑戦してみてください。
背筋の筋トレ:バックエクステンション
バックエクステンションは脊柱起立筋を重点的に鍛えられる種目です。
背骨の両側に沿うように背中からお尻付近まで長く伸びる脊柱起立筋は、腰を反る働き、立位を保つといった姿勢の維持に欠かせない筋肉であり、ゴルフでも体の軸を曲げない役割を果たします。
【バックエクステンションのやり方】
- うつ伏せになり、足はつま先を立てる
- 頭の後ろで両手を組む(スタートポジション)
- 肘を広げながら、上体と足を起こす
- 元の姿勢に戻り2と3を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セットになります。
ポイントは首が上をむかないよう目線は下に向け、お尻に力を入れること。目線を落とすことで、首が上がるのを防ぎ余計な負荷がかかるのを避けられます。
背筋とお尻は筋肉が連動しているため、足を浮かせてお尻に力を入れると脊柱起立筋に刺激が入りやすく効果的です。
また、背中を反らしすぎても痛めやすくなるので、みぞおちから上を持ち上げることを意識しましょう。
背筋を鍛える方法は以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
体幹の筋トレ①:クランチ
オーソドックスな腹筋、クランチはご存知の方が多く簡単に取り組みやすいトレーニングで、お腹の正面にある腹直筋(シックスパック)を鍛えられます。
体幹の安定は姿勢の維持だけでなく、スイングした時にタメを作る、体の粘りを生み出すことにつながります。
【クランチのやり方】
- 仰向けになり膝を立てる
- 足を地面にしっかり着き、両手を頭の後ろで組む(スタートポジション)
- 上体は息を吐きながら、おへそを見るよう起こす
- 息を吸いながら、肩甲骨をつけない位置までゆっくり上体を戻す
- 2〜4を繰り返す
目安回数は1セット10回を3セットです。
クランチは反動をつけずに、しっかり呼吸しながらゆっくり上体の上げ下げを行なってください。
腰が浮いてしまうと腰痛の原因になるので、動かすのは上半身だけと意識すると良いでしょう。
体幹の筋トレ②:プランク
体幹トレーニングの代表として名高いプランク(別名:フロントブリッジ)もまた、クランチと同じく腹直筋を含めた腹筋群をメインに、全身をバランス良く刺激できるトレーニングです。
うつ伏せ姿勢をキープすることで鍛えるため、体の動きはなく腰痛のリスクが少ないので、腰が気になる方や筋トレが苦手は方はプランクから始めてみてください。
【プランクのやり方】
- うつ伏せになり、腕は肩幅に広げる
- 肘を床につけ、足首を立てて体を持ち上げる
- 顔をやや前方に向け、頭から足までまっすぐの姿勢にする
- 60秒キープする
プランクは腰やお尻が上がったり、下がったりすると思うように鍛えられないので、姿勢を一直線に保つことが最も大切です。
また、姿勢のキープ時間は60秒/回ですが、慣れないうちはかなりキツく感じるはずです。
60秒間キープできない方は、1回ごとに10秒の休憩をはさみつつ、30秒を2回、または20秒を3回など分けて行うようにしましょう。
以下の記事ではプランクについて詳しく解説しているので、参考にしてください。
下半身の筋トレ:スクワット
「キング・オブ・筋トレ」の異名を持つ王道の下半身種目、スクワット。
大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなど下半身の主要な筋肉をまとめて鍛えられ、股関節の可動域UPも可能です。
下半身の強化はスイングの軸そのものが安定しやすくなり、スイング時に起こりやすい体制の崩れ(体がスイングに合わせて流れる状態)を防ぎやすくなります。
【スクワットのやり方】
- 足を肩幅よりやや広めに広げて立つ
- まっすぐ下にしゃがむ
- 足の踵で押すように力を入れて体を元の位置に戻す
- 2、3を繰り返す
目安回数は1セット10〜15回を3セットであり、1セットごとに10秒の休憩を入れながら行いましょう。
スクワットの足幅は肩幅よりやや広めが目安ですが、股関節の硬さ等で最適な幅には個人差があるため、しゃがんだ時に両方の足先と両膝の幅が同じになるよう調整してください。
しゃがむ時に体が前に傾くとつま先に体重が乗りバランスを崩してしまうので、常に踵に力が加わるよう意識して、体を動かすことがポイントです。
スクワットは負荷が高く、正しいフォームで行うことが重要となります。以下の記事で詳しく解説しているので、参考にどうぞ。
筋トレは適切な頻度で効果が出る
筋トレ初心者のうちは筋肉痛になりやすく治るまで自然にトレーニング間隔が開きますが、慣れてくるとしっかり鍛えても筋肉痛にならないことが増えてきます。
もし、筋肉痛にならない=負荷が足りないと考えてしまい、連日トレーニングをおこなっている場合は逆効果なのでやめましょう。
筋肉はトレーニングで傷ついた筋繊維(筋肉をつくる組織)が、回復後により強くなろうとする働き(=超回復)により成長していきます。
回復時間は個人差や部位で異なりますが24〜最大72時間かかり、もし回復途中に新たにダメージを与えてしまうとかえって筋肉が減ってしまうのです。
正しく筋トレを行えば筋肉痛にならなくても筋肉は疲労しているため、2〜3日間隔を空けてトレーニングを行なってください。
例えば、1日目は体幹、2日目は背筋、3日目に下半身など1日ごとに部位を変えて、同じ筋肉を連日鍛えないことで、時間を無駄にせず効率的に鍛えることができます。
【鍛えすぎに注意】ゴルフには不向きな筋肉
ここまでは、飛距離を伸ばすために鍛えてほしい3つの筋肉(部位)をご紹介してきましたが、ゴルフの上達を目指す意味では、逆にあまり鍛えすぎない方が良い部位として腕と胸があります。
腕・胸については鍛えすぎると筋肥大しやすく、筋肉がスムーズなスイングを妨げる可能性があるからです。
また、スイングは全身の力を活用し捻転の動きにより、遠心力を使って打つため、さほど腕や胸単体の筋力を必要としないことからも、この部分をあえて狙って鍛える意味は薄いと言えるでしょう。
ゴルフはラウンドを長時間移動しながら行うことも加味すると、ウォーキングを含め全身をつかう体力のいるスポーツなので、必要な筋肉、不向きな筋肉を意識しながら、全身をバランス良く鍛えることが望ましいです。
全身をバランス良く鍛えるならパーソナルジムへ
この記事ではゴルフの上達、特に飛距離の向上に注目した筋肉やトレーニング方法を解説していきました。
きちんとボールに当てるために、どうしてもボールにのみ集中して体勢が崩れたり、体が硬く腕で打ってしまうなど、体づくりが不十分だとミート率を上げるのは困難なのです。
正しいフォームのスイングを身につけるためには、安定した土台をつくる筋トレが重要であることがお伝えできたと思います。
ですが、ゴルファーが筋トレを行う目的を損ねないためには、特定のパーツを強化しつつ鍛えすぎない=バランス感覚を持って鍛えなければいけません。
特定のパーツと全身のバランスを保って鍛えるなら、個別指導であなたに合ったメニューが組めるパーソナルジムを検討してみませんか?
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