筋トレをしても筋肉痛にならないと「鍛えられていないのでは?」と考えてしまいますが、それは誤解です。
筋肉痛にならなくても、筋肉はしっかり鍛えられているので安心してください。
筋肉痛になる人とならない人は、運動レベルの差(初心者か経験者か)以外にも全身のコンディションが大きく関係しています。
この記事では、筋肉痛が起こるメカニズムと「なる人ならない人」の違いをそれぞれ詳しく解説していきます。
運動初心者であればトレーニング開始後、しばらくの間は筋肉痛を避けて通ることができません。
しかし、記事を通して筋肉痛を理解することで、過度な痛みの発生やトレーニング効果への不安を取り除き、安心してトレーニングに打ち込めるようになるので、参考にしてください。
筋肉痛とは?痛みが発生する理由と筋肉への効果
実は筋肉痛が起こる明確な原因はわかっていません。
現時点では筋肉に負荷がかかることで筋肉を作る筋繊維に傷がつき、傷を治そうとするときに起こる炎症が痛みの原因と言われています。
このことから、運動初心者が筋肉痛になりやすいのは筋繊維が傷つきやすい=筋力不足が理由と言えるでしょう。
また、一例ですが体が水分不足(脱水)になっても血流が滞ることで筋肉が硬く凝ったような状態になり、痛みが発生します。
つまり、運動習慣(筋肉がある程度鍛えられている)があり、本来は筋肉痛になりにくい方でも体のコンディションによっては筋肉痛が起こりやすくなるのです。
筋肉痛がなくても筋肉へのトレーニング効果はある?
トレーニングで筋肉痛になっても、ならなくても筋肉へのトレーニング効果があります。
筋肉が成長(筋肉量の増加)する過程で、筋繊維を修復する時に以前より太くしてより頑丈になろうとする働きがあり、これを超回復と言います。
初めは筋肉痛になったものの、同じトレーニングで次第に痛みが発生しなくなるのは、超回復を繰り返して筋肉が強くなるからです。
そのため、筋肉痛が起こるからトレーニング効果が出ているという認識も間違いではないと言えます。
ですが、トレーニングで筋肉痛にならない(負荷がちょうど良い)場合でも、トレーニングは無駄にはなりません。
筋肉は使わないと急速に衰える性質があるので「痛みが出るほど強いトレーニング」をしなくても、筋肉を保つことに役立っているのです。
体組成計で筋トレ効果を確認する
筋肉痛にならなくても鍛えられていますが、効果を実感する何かしらのサインがないと不安かと思います。
筋トレの効果は、痛みではなく体組成計で確認してください。
体組成計はメーカーや価格によって測定できる項目に違いがあるため、基本的には①基礎代謝をみる、または②筋肉量+体脂肪率の増減を見ると良いでしょう。
通常トレーニングの効果が現れるまでに3ヶ月ほどかかるため、トレーニング開始時と3ヶ月後の数値を比較するとわかりやすいです。
トレーニング開始時より①基礎代謝が上がっている、または②筋肉量が増え、体脂肪率が減っている。
①と②どちらの状態であっても、筋肉量が増えていると判断できます。
筋肉痛にならない人となる人の特徴
はじめに解説した通り、筋肉痛になる人とならない人には、トレーニング初心者か経験者かの他に、全身のコンディションにも違いがあります。
コンディションとは、栄養補給(運動に必要な栄養をタイミングよくとる)・ウォーミングアップとクールダウン・睡眠(疲労回復)を指します。
いずれも良い状態で筋トレを行うと筋肉痛を起こりにくくすることができます。
筋肉痛になる人とならない人は逆の特徴をもっているので、確認してみましょう。
筋肉痛にならない人の特徴
- 運動習慣があり、筋肉が鍛えられている
- 運動前の準備、運動後のケアをしている
- 体のコンディションが良い
もともとトレーニング習慣がある方は、筋繊維も太く頑丈になっているので、筋肉痛にはなりにくい状態です。
ただし、より強い負荷のトレーニングを行えば、もちろん筋肉痛になりますので絶対にならないとまでは言えません。
筋肉痛になる人の特徴
- 運動初心者
- 筋トレの負荷が合っていない
- 体のコンディションが悪い
筋肉痛になる人でもコンディションを整えることで、症状の軽減はできます。
通常は筋トレを継続していくうちに、筋肉が発達し痛みは起こりにくくなりますが、筋トレの度に毎回筋肉痛になる状態であれば、トレーニングの負荷が高すぎるかもしれません。
また、筋トレ初心者で初めから全く筋肉痛にならない場合は、間違った方法で筋トレを行なっている可能性があります。
正しいフォームや、適切な回数を行わなければ筋肉は刺激されず鍛えられないので、動画や鏡などで客観的に確認して、やり方を修正していきましょう。
筋肉痛を目指さない!コンディションの整え方
ここまでで、筋肉痛=筋肉の成長ではないと解説してきました。
筋肉痛を100%避けることはできませんが、痛みは軽いに越したことはありません。
筋肉を強くすることで筋肉痛になりにくくなるものの、筋肉の成長にはどうしても時間がかかります。
しかし、自身のコンディション調整は、すぐに取り組むことが可能です。
ここからは筋肉痛を目指さない、痛みを軽減しやすい筋トレ方法とコンディションの整え方を紹介していきます。
ルーティーン化することで良いコンディションでトレーニングが行えますので、是非実践してみてください。
ウォーミングアップで体を温める
筋肉はこわばった状態で、いきなり筋トレを始めると筋肉痛が起こりやすいだけでなく、関節や腱などに怪我を負うリスクもあります。
はじめにウォーミングアップをしっかりすることで、筋肉が温まり体がほぐれて、筋トレによる筋肉への負担を軽減することが可能です。
ただし、ウォーミングアップをやりすぎると疲労が溜まり、筋トレのパフォーマンスを下げてしまうこともあるため、軽く汗ばむ程度を目安に行うようにしましょう。
ウォーミングアップの方法は動画を参考にしてみてください。
補食で栄養補給を行う
補食とは朝・昼・晩の1日3食以外にとる栄養補給を目的にした食事であり、おやつではありません。
トレーニング時に消費されるエネルギーをグリコーゲンといい、糖質から作り出され体内に備蓄されていますが、その量はごくわずかです。
エネルギー不足になると体は筋肉を分解してエネルギーを作り出すため、トレーニングをして筋肉が減ることがないよう、補食を摂ることは大切です。
【トレーニング前】
糖質と水分・アミノ酸をとることでエネルギー切れを防ぎ、パフォーマンスも上がり筋肉への疲労を溜まりにくくする。
【トレーニング後(45分以内)】
タンパク質と水分をとることで疲労回復を早め、筋肉の分解を抑えて合成を促す。
つまり、補食をとることで筋肉疲労を抑え、回復を促す働きにより筋肉痛になりにくくなるのです。
また、空腹でも満腹でもトレーニングには悪影響のため、補食については取るタイミングで内容を変えましょう。
【補食の一例】
- 開始1時間前なら:おにぎりやバナナなど、糖質が多く含まれ消化によい食品
- 開始30分前なら:ゼリー飲料や野菜ジュースなど、すぐ消化される食品
- 終了後30分以内:プロテインドリンクやゆで卵など、すぐ食べられる食品
筋トレと相性の良い食事に関して、以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
毎日筋トレするなら鍛える部位を変える
筋肉痛が残っているうちに筋トレをしてしまうと筋肉の回復が遅れ、逆に筋肉が分解されて減っていく恐れがあります。
筋肉痛に堪えながら行うトレーニングでは効果がありません。
筋肉は24〜72時間ほどかけて回復するので、同じ部位のトレーニングは、3日ほど時間を空けるのがおすすめです。
また、初心者の方は回復時間の3日にこだわらず、痛みがひいてから鍛えると良いでしょう。
毎日筋トレがしたい方は、同じ筋肉を連続で鍛えないよう1日目は腕・2日は腹部・3日目は足など鍛える部分を変えるのがおすすめです。
クールダウンで体に疲労を残さない
クールダウンの役割は体に疲労を残さないことです。
トレーニング中は心臓からどんどん血液が末端に送り出され、手足など筋肉を動かすことで血液を心臓に戻す働き(筋ポンプ作用)が起こっています。
急にトレーニングやめると、心臓は血液をどんどん送り続けるのに筋肉の動きはないので、血液が心臓に十分戻らずに、めまいなどの不調を起こしかねません。
そのため、ゆっくり体を動かすクールダウンを行い、心拍を安静時の状態まで徐々に落ち着かせることで体に負担をかけないことが大切です。
疲労物質(乳酸)も、安静時よりも軽めに体を動かしている方が、早めに取り除かれるいると言われています。
クールダウンの方法は動画を参考にしてみてください。
深い睡眠で疲労回復を促す
疲労回復といえば睡眠であり、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」はご存知の方も多いと思います。
成長ホルモンは、免疫機能の強化、脂肪分解作用や傷ついた筋肉の修復など体のメンテナンスに重要な役割を持ち、深い眠り(ノンレム睡眠)の時に多く分泌されます。
深い睡眠をとれるように、睡眠環境を整えて(睡眠を阻害する要素を避けるだけでもOKです。)7〜8時間眠るのが理想的です。
なお、以下の記事でも筋トレと筋肉痛に関して解説しています。ぜひ参考にしながらトレーニングに取り組んでください。
筋肉痛にお悩みならパーソナルトレーニングへ
この記事では、筋肉痛にならないことへの誤解と、トレーニングの効果について詳しく解説してきました。
学生時代や様々な運動の経験から、筋肉痛にならないと筋肉が鍛えられていないと不安になる方もいると思います。
自分の鍛え方に不安を持ってしまうと、モチベーションも下がりやすくなるので、この記事で誤解が解けて安心してトレーニングの望んでいただけたら幸いです。
「筋肉痛はなるべく避けたいけど、食事や筋トレ前後のケアなどコンディションを整えるのが難しい。」
「トレーニングフォームや鍛え方、トレーニングメニューの組み立てがよくわからない。」
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