糖質制限で順調に落ちいていた体重がある日ピタッと減らなくなり、ずっと続いてしまうと焦りますよね。
これはダイエット経験者の多くが直面する停滞期によるものであり、分かっていても食事制限や運動による努力が結果につながらない期間はモチベーションが下がってしまいがちです。
しかし、落ち込んだり諦める必要はありません。
なぜなら、停滞期はダイエットが成功している過程であり、期間や乗り越え方には個人差がありますが、いずれ終わるからです。
停滞期中に体重を無理に減らそうとして、極端な食事制限や運動などを行い体に負担をかけすぎると、強いストレスにより返って太りやすくなってしまうため、おすすめしません。
そこで今回の記事では、停滞期が訪れる理由や期間、乗り越え方を詳しく解説していきます。
停滞期で悩んでいる方は、ぜひ参考にして乗り越えてください!
糖質制限中の停滞期とは?やせない理由は体の防衛反応にあり
体重が落ちなくなる停滞期は、外的要因に関わらず体を一定の状態に保つ機能「ホメオスタシス」によって起こるとされています。
糖質制限によって体に入る糖質量が減り体重が減っていく状態になると「エネルギーの材料が足りない!体に危機が訪れている」と脳が判断し、飢餓モードに切り替わります。
飢餓モードになると、ホメオスタシス機能より体重を維持しようと体は栄養の吸収率を上げて、エネルギー消費を抑えるようになります。
結果、同じ糖質量+アンダーカロリーを維持していても、痩せにくくなる(停滞する)のです。
この現象は体を守ろうとする防衛反応であり、この機能が働き出すほどに短期間で減量が進んでいる(成功している)とも言えるので安心してください。
糖質制限中の停滞期は避けにくい?
停滞期の訪れは減量が上手くできている一つの目安にできるとお伝えしましたが、時には「停滞期がなかった」というケースも聞いたことがあると思います。
こうったケースでも、ダイエットが上手くいってないということはありません。
停滞期の原因とされるホメオスタシスの機能は、1ヶ月に5%以上体重が減ると働き始めます。(目安であり必ずではありません。)
例えば体重60キロの場合、1ヶ月で3キロ以上体重を減らした方は停滞期に入りやすい状態と言えます。
逆に1ヶ月に1~2キロほどのペースでゆっくり体重を落としていくダイエットを行う方は、停滞期になりにくいのです。
糖質制限は「短期間で大幅な減量を可能にする」ダイエット方法となるため、減量のペースが早い方ほど停滞期が訪れやすいものと考えておきましょう。
糖質制限中の停滞期を乗り越える5つのポイント
停滞期がくると「早く抜け出したい」と焦ってしまうかもしれません。
しかし、過度なストレスはインスリンを増加させ太りやすくなるため、停滞期の脱出を阻んでしまうこともあります。
一般的な停滞期の期間は2週間〜1ヶ月と言われています。
まずはその期間も糖質制限をしっかり継続し、体重ではなく体脂肪や体のサイズをチェックしましょう。
体重が減らなくても体脂肪やサイズが減少していれば停滞期から脱出する前兆であり、再び徐々に体重が落ちはじめれば停滞期は終了となります。
この間、なんの変化もなければご紹介する「乗り越えるためのポイント」を実行してみてください。
ポイント①:チートデイを取り入れる
チートデイとは、糖質を1日でたくさん体に入れることで「飢餓状態が終わった!」と体に誤認させるための行動です。
脳が誤認することで、栄養の吸収率と抑えられていたエネルギー消費(代謝)が元に戻るので、再び減量が進んでいきます。
ただし、食事を多くとるのでやり方と頻度を間違えるともちろん太りますし、全員に必要な方法ではありません。
糖質制限が失敗する原因にもつながるため、体脂肪を目安にチートデイが必要か判断して行ってください。
【チートデイを行う目安の体脂肪と頻度】
体脂肪率(女性) | 体脂肪率(男性) | 頻度 | |
---|---|---|---|
① | 30~35% | 約20% | 2週間に1回 |
② | 25~30% | 約15% | 10日に1回 |
③ | 20~25% | 約10% | 1週間に1回 |
④ | 20%以下 | 約7% | 4日に1回 |
チートデイを実行するなら、ダイエット中だと拒否感が出やすいですが「思い切って食べて、1日で終わらせる」ことが大切です。
カロリーで言えば自分の体重×40~45kcalぐらいを目安とし、ストレス解消も兼ねているので単品のみなど極端に偏った内容でなければ食事のメニューも気にしなくてもOK。
普段不足している栄養素を積極的にとる機会にしても良いでしょう。
食事の量を中途半端に増やして翌日も食べてしまう状態は避けてください。
また、チートデイの効果が薄いとされる表の①に該当する方は、他の乗り越え方も参考にしてチートデイが必要か判断することをおすすめします。
以下の記事では、糖質制限期間中のチートデイについて解説しているので、参考にしてください。
ポイント②:トレーニング内容を変更する
糖質制限中は筋肉量を維持して代謝を減らさないよう、筋トレを取り入れている方は多いと思います。
体は刺激に慣れていく習性があり同じトレーニングメニューでは効果が薄れていくため、刺激を変化させることも必要です。
例えば、トレーニングが筋トレのみの方は、有酸素運動(軽く汗ばむ程度のウォーキングやジョギング)を追加することで脂肪燃焼を促し消費カロリーを増やしてみましょう。
最初から筋トレ×有酸素運動のメニューを行なっている方は、時間や回数、頻度を増やすことで運動強度をあげることができます。
また、筋肉は回復時に成長するため、運動強度をあげる際はしっかり休みを取るよう注意してください。
なお、糖質制限中のトレーニングって何をすれば良いのか分からない方は、以下の記事も参考にどうぞ!
ポイント③:MTCオイルをとる
糖質制限中は糖質を抑えて脂質(総摂取カロリーのうち6割)を多くとる必要がありますが、脂質が十分にとれず思うよりも摂取カロリーが低くなってしまうケースがあります。
ダイエットの基本はアンダーカロリーですが、体が守りに入ってる時に必要最低限以下の低カロリーが続くとホメオスタシス機能が強まり、停滞期からさらに抜け出しにくくなります。
脂質が十分にとれていない方や空腹感を感じやすい方は、体内で脂肪になりにくく素早くエネルギーとして利用される「MTCオイル」を追加してみてください。
手軽にカロリーが摂れ、腹持ちも良くなるので空腹感によるストレスも軽減できます。
ポイント④:充分な睡眠をとる
睡眠時間は体の回復だけでなく、日中の食欲にも深く関係しており長くても短くてもよくありません。
また、基礎代謝を上昇させる(筋肉を回復させる)成長ホルモンも睡眠中に分泌されるため、睡眠不足は肥満のもとになり停滞期がつづく一因とされています。
一番肥満になりにくいとされる睡眠時間は7~8時間です。
睡眠時間が短いと食欲を抑制するレプチンの分泌量が減り、食欲が増すグレリンが増えるため、強い空腹感や食べ過ぎにつながります。
いずれも我慢することで強いストレスを感じてしまうので、停滞期に関わらず睡眠時間はしっかりとってください。
ポイント⑤:女性は生理周期をチェックする
女性のダイエットは「生理周期」に左右されやすく、痩せにくい時期があることを知るだけでも焦りを減らすことができます。
生理前と生理期間中は女性ホルモンのバランスが崩れることで、以下のように体に様々な影響が出やすく、努力しても痩せにくい期間と言えます。
- 甘味を求めやすくなる
- 食欲が増加する
- 体が水分を溜め込みむくみやすくなる
停滞期をなかなか抜けられないと思う時は、まず生理周期的に痩せにくい時期なのかを確認しましょう。
この期間に該当している場合は「痩せにくい」と理解して無理せず過ごし、体重の維持ができていればOKぐらいの気持ちでいることをおすすめめします。
停滞期が解消できない時はダイエット方法の見直しが必要
一般的な期間が過ぎても停滞期が続く場合、実は停滞期ではないかもしれません。
糖質制限をスタートしてすぐの頃は体重が数キロあっさり落ちますが、それは水分が抜けたことによるものです。
本来はその後も継続して体重が減少し、ある日を境に体重も体脂肪も体のサイズも全く変化しなくなる状態が停滞期です。
もし体重が初めの数キロ以外ほとんど落ちてないという場合は、停滞期ではなく糖質制限が正しく行えていない可能性がありますので糖質制限の基本から見直してみましょう。
糖質制限の基本は以下の通りです。
- 摂取カロリーが消費カロリーを下回る
- PFC(タンパク質/脂質/炭水化物)バランスを3:6:1にする
- 筋トレで筋肉量を保って基礎代謝を維持する
糖質制限とは、炭水化物抜きのことであり、それ以外は満腹まで何を食べても良いと思う方もいると思います。
考え方は間違っていませんが、当然食べ過ぎればオーバーカロリーになりますし、野菜・果物・調味料にも糖質が多いものがあります。
慣れないうちは手間ですが食材や食品の糖質量とカロリーを確認して、いずれも適正な量をとることが大切です。
また、糖質制限を誤ると筋肉ダイエット(脂肪ではなく筋肉の減少によって体重が減る)になってしまうことがあり、筋肉量の低下は基礎代謝を下げ、消費カロリーも低下させます。
結果、低カロリーの食生活でも痩せにくい体になってしまうため、基礎代謝を保てるよう定期的な筋トレと睡眠時間(7~8時間)の確保を心がけてください。
少しでも糖質制限に関して不安なことがある場合は、以下の記事も参考にして正しい方法を見直してみましょう。
プロと一緒にツライ停滞期を乗り越えませんか?
今回の記事では停滞期がなぜ訪れるのか?一般的な期間や乗り越え方をご紹介してきました。
停滞期は多くの方が経験する「壁」であり、ダイエットに挫折してしまいやすい期間です。
しかしながら、ダイエット成功への過程であり努力が無駄になっていないことを知っていただけたかと思います。
人の体に備わっている適応力は大切な機能ですが、ダイエットにおいては食事やトレーニングに慣れてしまい、効果が期待できなくなる=停滞期になってしまうので厄介です。
時には思い切って糖質制限を中断し、脂質制限に切り替えることで停滞期が解消されるケースもあり、対応は人それぞれと言えるでしょう。
本当に停滞期なのか?乗り越えられるか不安なまま糖質制限を続けるのが辛いなど、様々な心配がある方はプロに相談してみませんか?
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